Langkah demi langkah

インドネシアのあれこれを書いていきます

日本の母親は教育熱心だけれど

最近Yahooを見ていると、イギリスのボーディングスクールがおすすめという記事をよく見ます。他にも、母子留学をされている方、これからする方のブログも散見されます。

 

ブログの見出しには「子供には世界で通用する人になってほしい」という言葉が大体書かれています。

そして大抵が母親の方が前のめりになっているように思います。

母子留学の主な行き先は東南アジアのようです。タイやマレーシアが代表的な留学先みたいですね。

 

イギリスや他の国のボーディングスクールにお子さんを送り出す親御さんも「英語を身につけ」「小さいうちから海外で暮らすことによって国際感覚を身につけ」「世界で通用する人になってほしい」と願っているのでしょう。

 

しかし「世界で通用する人」とは一体どんな人なんでしょうか?

英語が話せれば世界で通用する人になれるのですか?小さい時から海外で暮らせば国際感覚が身につくのでしょうか?

海外の大学を出たら子供達はグローバル人材になれるのでしょうか?

 

海外のボーディングスクールにお子さんを送り出せるご家庭は多分経済的にお子さんたちを海外の大学まで出せるのでしょう。

母子留学のご家庭もそうなんでしょうけれど、私が最近読んでいるブログ主さんのご家庭はかなり切り詰めないと厳しいようです。

きっとこういうご家庭もそれなりにいらっしゃるでしょう。だからの(失礼ながら)留学先を欧米よりも物価が安い東南アジアにされているのではないかと思います。

 

しかしたとえ子供を東南アジアのインターに通わせることができたとしても、その後の肝心の大学はどうするつもりなのでしょう?

わざわざ母子留学をしてまで海外の学校に子供を通わせるのであったら、大学も海外で、と当然考えていることでしょう。

しかし海外の大学はインターとは比べ物にならないほどの高額です。

英語圏と言ったら思い浮かぶ英米の大学は、すでに学費だけで700〜800万しています。

お子さんがまだ小さければ、そのお子さんが大学に進学する頃には1千万はするでしょう。

その他にも寮費、食費、教科書代、保険代、休みの日の帰省代などなどを入れたら1年間に授業料を入れたら2千万近くするかもしれません。

それを4年間だったら8千万円。

それを払えると踏んで子供に海外の教育を受けさせようと決めているのでしょうか。

 

また、日本人の母親は教育熱心ですが、その熱心さが海外に出てもドメドメな考えの人が殆どであることも気になります。

 

日本人の大学に対する考え方は非常に独特で、専攻よりも大学名の方が大事と思われていますよね。

けれど海外では大学名よりも何を勉強したかの方が大事です。

 

けれど多くの日本人の母親はとにかく名の知れた(それも日本人限定)大学に入れたいと一生懸命になります。

結果、仕事を探す段になって「あれだけ良い大学に入れたのにまともな仕事につけない」という事態に陥ります。

 

これがまだ、子供が2重国籍でビザの心配がなければ仕事が見つかるまで就活をすれば良いわけですが、卒業後のビザの心配がある留学生は日本に帰るしかありません。

 

私が以前住んでいた国には国際結婚をして現地に住んでいる日本人女性がたくさんいました。お子さんを現地で産んで、熱心に教育を子供に施していましたが、上記の通りとにかく名の知れた大学に入れたいと思うのか、それとも現地の教育事情を理解していないのか、あの国で成功をするにはこの進路、を取ったハーフの子供をほぼ見ませんでした。

 

また、娘が留学した国にも日本人留学生がたくさんいましたが、やはり日本人的聞こえの良い専攻、つまりぼんやりとして専門性のない専攻を学んでいる日本人が殆どでした。結果的にほぼ全員日本に帰国していました。

これは仕事が見つからなかった、というのもありますが、留学をしてみて留学先の国で現地の人と肩を並べて仕事をすることがどれだけ厳しいかがわかった。あるいは、やはり日本の方が日本人には住みやすいというのがわかって帰国する、ということになるようです。

 

しかし、小さい頃から海外に出ていた、日本語もちゃんと身についていない、国籍だけは日本人という子が日本の企業文化に馴染めるのでしょうか。

これが見た目が外国人であれば「あの人は日本語は話せるけれど外国人なのだから多少変な言動があっても仕方がない」と見過ごしてくれるでしょう。けれど、見た目も日本人の場合は容赦ありません。外国に帰りたくても外国で通用するような、ビザサポートをしてまで呼びたい専門性もない、日本でも馴染めない、となる可能性もあるわけです。

 

それならば、海外でも必要とされる専攻を日本の大学まで学び、大学院から海外に出た方が海外で就職できる可能性は広がると思います。成績が良ければ、そして本人次第で博士課程は留学先の大学の職員となりますから、奨学金が出て親の負担はかなり減ります。

 

確かに大人から英語を学べば発音はネイティブのようにはならないかも知れません。ですが、日本人は外国語を学ぶ際には発音を気にしすぎのような気がします。これほどまでに英語を学ぶ人が増えた今、一体ネイティブの発音ってなんなんでしょうね。

 

お金の心配、子供の将来、戦略もなしに、とにかく海外に出て仕舞えば子供達の未来は明るい、と考えている親が多く、困ったものだと思ってしまいます。